

― 失敗の多くは設定やパッドではなく「考え方」にある ―

「インナーマッスルを狙ってEMSを使っているのに、あまり効いている感じがしない」
これは、医療現場や治療院で非常によく聞かれる声です。
しかし多くの場合、EMSが効いていないのではなく、“効き方の捉え方”がずれていることが原因です。
インナーマッスルは身体の深層にあり、強い収縮感やピリピリ感が出にくい筋肉です。
そのため、アウターマッスルを刺激したときのような分かりやすい体感を期待すると、「効いていない」と感じやすくなります。
インナーマッスルに対するEMSの目的は、筋肉を大きく動かすことではなく、神経入力を回復させ、使われにくくなった筋肉を目覚めさせることにあります。
体感が弱くても、姿勢が安定する、動作が楽になるなどの変化が出ていれば、それは効果の表れです。
「効かない=出力を上げる」という判断も、よくある失敗のひとつです。
出力を上げすぎると、刺激は深部に届く前に、体表に近いアウターマッスルや皮膚感覚が先に反応してしまいます。
その結果、インナーマッスルは十分に刺激されず、かえって狙いから外れてしまいます。
インナーマッスル狙いのEMSでは、あえて物足りないと感じる程度の出力から始め、安定した刺激を継続することが重要です。
インナーマッスルを狙うEMSでは、通電の「強さ」よりも「安定性」が重要になります。
パッドが皮膚に十分に密着していないと、電流が分散し、刺激がムラになったり、表層だけが強く感じられたりします。
この状態では、深部筋への刺激効率が大きく低下し、「弱い」「効かない」という印象につながります。
特に使用回数が増えたパッドや、皮膚の乾燥がある場合は注意が必要です。
インナーマッスルは、筋腹がはっきり触知できないことが多く、「腰のこの辺」「お腹のこの位置」といった場所基準の配置になりがちです。
しかし、インナーマッスル狙いのEMSでは、筋肉の走行や機能を意識した配置でなければ、刺激は狙った方向に入りません。
結果として、刺激は入っているのに、目的の筋肉が反応していないという状況が起こります。
インナーマッスルへのEMSは、即効性よりも積み重ねによる変化が主体です。
1回や2回の使用で判断してしまうと、「変わらない」「意味がない」と感じやすくなります。
姿勢保持が楽になる、動作開始がスムーズになる、痛みの再発頻度が減るなど、数日~数週間単位での変化を見ていく必要があります。
インナーマッスルを狙うEMSでは、
・強い体感を求めない
・出力を上げすぎない
・パッドの密着と状態を重視する
・配置は「筋肉の役割」基準で考える
・短期評価をしない
この5点を意識するだけで、効果実感は大きく変わります。
メディカでは、インナーマッスルを含む深部筋への刺激を想定し、低出力でも安定した通電が得られるパッド設計を重視しています。
密着性を高め、通電ムラを抑えることで、「強くしなくても効かせられるEMS環境」を現場で実現することを目指しています。
EMSの効果は、設定や機器性能だけでなく、毎回使われるパッドの質によって大きく左右されます。
インナーマッスルEMSが「効かない」と感じたときこそ、刺激の強さではなく、通電の質に目を向けてみてください。