EMSパッドにおける通電効率の重要性

電気刺激を“しっかり伝える”ことが、結果を変える


通電効率とは何か


EMS(Electrical Muscle Stimulation)において「通電効率」とは、電極から皮膚、そして筋肉組織へどれだけムダなく電気刺激を伝えられるかを示す指標です。同じ出力設定でも、通電効率が高いパッドと低いパッドでは、筋収縮の深さや刺激の安定性に大きな差が生じます。


通電効率を左右する3つの要素


1. 導電性ジェルの抵抗値


EMSパッドの心臓部ともいえる導電性ジェルは、一般的に20~30Ω前後の範囲で設計されます。この値が低すぎると電流が急激に流れ、痛みや刺激ムラが起きやすくなります。
一方で高すぎると十分な刺激が届かず、筋肉収縮が弱くなります。 したがって、安定した抵抗値を維持できるかどうかが、製品の品質を大きく左右します。


2. 粘着層の均一性

パッド表面の粘着層が均一でないと、皮膚との接触面積にムラが生じ、局所的な電流集中が発生します。これにより「ピリッ」とした痛みや発赤の原因になるため、粘着剤の塗布厚と密度の安定性が重要です。


3. パッドの再使用性と劣化

通電効率は、使用回数とともに低下します。皮脂や汗、乾燥によりジェル層が変性し、抵抗値が上昇するためです。
繰り返しの貼り剥がし試験で通電性を維持できる設計は、耐久性の高い製品として信頼を得る大きな要素となります。


通電効率がもたらす臨床的メリット


通電効率が高いパッドでは、電流がスムーズに流れるため、低出力でも十分な筋収縮を得られます。その結果、痛みや不快感を軽減しながら筋肉を効率よく刺激でき、機器の寿命も延ばすという患者様にも施術者にも優しい結果を生みます。


メディカの取り組み


弊社では、粘着性と導電性のバランスを重視し、独自のジェル配合比率と製造プロセスで通電効率の安定化を実現しています。特に、使用初期から最終使用まで抵抗値の変動を最小限に抑えることを目的に、複数のジェル層構造を検証。
結果として、長期使用においても刺激のムラが少なく安定した通電性を維持できるパッドを提供しています。


通電効率は「見えない性能」ですが、EMSパッドの真価を決める最も重要な要素のひとつです。
粘着力やコストだけでなく、「電気刺激をどれだけ正確に届けられるか」を評価することで、より高品質な施術体験を実現できます。