EMSによる血流促進メカニズム

― 筋ポンプ作用を中心に ―


電気刺激(EMS:Electrical Muscle Stimulation)は、筋肉を他動的に収縮させることで運動と同様の生理的反応を引き起こします。その中でも特に注目されているのが、血流促進効果です。これは「筋ポンプ作用(muscle pump)」と呼ばれるメカニズムに密接に関係しています。


筋ポンプ作用とは


筋肉が収縮すると、筋線維の間を走る血管が一時的に圧迫され、血液が心臓方向に押し出されます。次に筋肉が弛緩すると、今度は血管内圧が低下し、新たな血液が末梢から流れ込みます。この「収縮と弛緩の繰り返し」がまるでポンプのように働き、下肢や末梢の血液循環を改善するのです。


通常、デスクワークや立ち仕事などで長時間同じ姿勢を続けると、筋肉の活動が低下し、このポンプ機能が鈍くなります。結果として、足のむくみや冷え、疲労の蓄積につながります。


EMSがもたらす血流改善の科学的根拠


複数の研究では、EMS刺激によって下肢静脈血流量が有意に増加することが報告されています。たとえば20~30Hz
程度の低周波刺激を断続的に与えると、実際の歩行運動時とほぼ同等の筋収縮が再現され、末梢循環が改善します。これにより、乳酸や老廃物の除去が促進され、筋肉疲労の回復も早まると考えられています。


さらに、継続的なEMS刺激は、筋線維内の毛細血管密度を増加させるという報告もあります。これは慢性的な血流改善だけでなく、代謝促進や冷えの改善にも寄与します。


臨床現場での応用


リハビリテーション分野では、長期臥床患者や運動が困難な高齢者に対し、EMSを用いた下肢血流改善プログラムが導入されています。これは単に筋肉を鍛えるだけでなく、「循環不全による浮腫・冷感・筋硬直を防ぐ」目的でも活用されています。
また、スポーツ現場でもトレーニング後のリカバリーとしてEMSを使用することで、翌日の筋肉痛や疲労軽減が確認されています。


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