スポーツリカバリーとEMS

― トレーニング後の乳酸除去・疲労回復をサポートする活用法 ―

スポーツやトレーニングを行った後に感じる筋肉の張りや重だるさは、多くの場合、筋肉内に蓄積した乳酸や代謝老廃物が関係しています。こうした疲労を効率的に取り除き、次の運動に備えるための方法として注目されているのが、EMS（Electrical Muscle Stimulation：電気筋肉刺激）を用いたリカバリーです。

筋肉を休ませながら動かす「アクティブリカバリー」

運動後の回復方法には、大きく分けて「完全休息」と「軽い運動を取り入れるアクティブリカバリー」があります。EMSは後者の考え方に基づき、筋肉を自発的に動かすことなく収縮と弛緩を繰り返すことで、血液やリンパの循環を促します。
これにより、筋肉内に滞った乳酸や疲労物質がスムーズに排出され、筋肉の回復が早まると考えられています。

科学的な裏付け

研究によると、運動直後にEMS刺激を20～30分間行うと、安静にした場合と比較して乳酸濃度の低下が早く、筋肉痛の発生も軽減されることが示されています。
特に低周波（おおよそ5～10Hz）のリズミカルな刺激は、筋肉をやさしく動かしながら血流を改善するのに適しています。激しい収縮を伴わないため、筋肉を痛めるリスクが低い点も特徴です。

アスリートから一般トレーニーまで

EMSによるリカバリーは、トップアスリートだけでなく、週に数回ジムに通う一般の方にも有効です。
トレーニング直後の10～20分を活用してふくらはぎや太ももにEMSを使用することで、翌日の筋肉のこわばりを抑え、パフォーマンスの維持につながります。
また、血流改善によって筋肉温度を緩やかに保つ効果もあり、冷えによる筋緊張を防ぐ点でも有益です。